歯の「負の連鎖」を防ぎたい

歯の「負の連鎖」を防ぎたい

当院が歯の治療で常に念頭に置いているのは、「わずかであっても、歯はできるだけ削りたくない」という思いです。
歯科診療の世界では「歯には負の連鎖がある」といわれます。治療の最初を間違えると大きく削ることになり、大きく削ると神経に触ってしまい、そこまでくると歯が割れてしまい、割れると歯は失われてしまい、仕方なくインプラントにするとインプラント周囲炎になって、ついには顎の骨までなくなってしまう。そんな「最悪のパターン」に陥りかねません。

つまり、歯の将来を考えると、少しでも歯質への影響が少ない選択肢を選ぶことが大切なのです。すると現在の技術では、補綴物(詰め物・被せ物)にはセラミックを使うのが最も影響が少なくてすむ方法です。
当院では、精密なセラミックの詰め物を短時間で製作できる「セレック」システムを2005年より導入しております。セレックでつくった詰め物は歯への接着がよく、患者さまの負担するコストを抑えることが可能です。
従来は型取りして外部の歯科技工所に注文していたため、セラミックの処置を終えるまでに数日かかっていました。しかし当院は2名の歯科技工士が常駐しており、さらにセレックを使うことで、治療当日の3時間ほどで処置完了できる環境を整えています。(ワンディトリートメント=削った歯質が汚染されないようにその日のうちに接着する事で、もちがよくなります。)

当院では保険診療が適用される合金の詰め物も取り扱っていますが、金属アレルギーのリスクがあるのは事実です。また金属は電荷を帯びることから、ばい菌を引き寄せてしまうリスクもあります。そしてセラミックとは違い、金属は歯と接着しません。そのため間にセメントを入れるのですが、嚙む度に力がかかって経年劣化が進み、セメントはいずれ崩壊してしまいます。その結果、そこから細菌に感染してしまうこともあるのです。セラミック治療であれば、そういったリスクを避けることができます。

セレック治療のメリット

セレック(CEREC)は、短時間でセラミックの詰め物を製作できるシステムです。かつては「歯型を取り、歯科技工所に注文し、修復物の完成を待って再来院していただき装着」と、完成までに1週間ほどかかっていました。これを最短1日までに短縮したすぐれたシステムです。

1.スピーディーな治療 (ワンディトリートメント)

一度の通院で修復物が完成し、装着まで完了します。そのため、重ねて通院していただく必要がありません。
削った表面の歯質汚染のリスクが軽減できます。

2.高い耐久度

規格生産された耐久性の高いセラミックブロックを使用することで、長持ちします。

3.人件費を節約してリーズナブル

院内で修復物が製作できるため、時間だけでなく製作費も抑えられ、リーズナブルな価格で提供することが可能となりました。

4.美しい仕上がり

当院ではセレックだけでなく、常駐する歯科技工士が微調整を加えることで、上質なセラミックをさらに自然で美しく仕上げます。

経年劣化や虫歯再発リスクの低いセラミック治療

歯の補綴物(詰め物・被せ物)と自然な歯との間に隙間があると、そこに汚れがたまって虫歯などを引き起こすことがあります。
特に合金による補綴物は歯と接着しないため、間にセメントを入れるのですが、これが経年劣化によって崩壊するという問題があります。しかし、マイクロスコープを使い、きめ細かな調整を行ったセラミック治療であれば、隙間なくぴったりと埋められ接着します。金属アレルギーなどのリスクを避け、再発の可能性を抑えて治療ができるのです。
当院ではマイクロスコープを使って歯型を取り、常駐する歯科技工士がより精密な補綴物の製作を行います。
セラミックの表面には、歯垢、プラークがつきにくく、また歯匂にも為害作用がありません。

歯肉の再生

歯周病のほか、乱れた歯並び、加齢、不適切なブラッシングによる外傷で、歯肉(歯茎)が下がって「歯が長く見える」ことがあります。
歯肉が下がっていると見た目が悪いだけでなく、冷たいものがしみる、歯磨きしただけで痛む、虫歯になりやすいなどの問題が出てきます。しかし、一度下がった歯肉を患者さまご自身で戻すことは難しいです。当院では、元に戻すためにマイクロスコープを使用した外科的な処置を行っております。

FGG(遊離歯肉移植術)

歯根のまわりに角化歯肉(コラーゲン繊維が豊富な固い歯肉)が不足している場合、上顎の口蓋から歯肉を切り取って移植します。これにより、痛みなどを防げるようになります。

CTG(結合組織移植術)

薄い歯肉をぶ厚くして、抵抗力のある強い歯肉にすると、見た目もよくなり、痩せて下がった歯茎も元通りになる場合があります。